愚痴を頻繁に聞かされる事が、精神衛生上よくないのは心理学の研究結果で報告されています。
この記事では、愚痴ばかり言う人の思考・心理と聞く側の影響、対策について書いています。
愚痴が多い人はどんな思考の人?
ここでは愚痴が多い人とはどんな思考なのか、という事について書いていきます。
ここで取り上げている「愚痴を言う人」とは、あまりに愚痴の多い「口を開けば愚痴ばかり」という人のことで、そういう人の傾向を話しています
愚痴を言う人の行動を3つの段階に分けるとこうなります。
➀ (観念)愚痴を言う人の想いグセがある
➁ (感情)物事に対しての不平や不満、怒りを感じる
➂ (行動)その不満を誰かに理解してもらおうと、意図をもって話す
この順番で、愚痴を生み出しています。
➂から順を遡って、書いていきます。
(行動)その不満を誰かに理解してもらおうと、意図をもって話す
愚痴を言っている人の頭の中には、「怒り」や「不満」があるわけです。
そして心理の中には、「自分を解ってほしい」という願望が働いています。
つまり「味方」、「こちら側」になってほしいのです。
これは承認欲求というもので、だれもが持っているのですが、ここに愚痴る人の意図やコントロールを感じ、聴く人は疲れてきます。
事実、愚痴を言う人は「自分は被害者」という、弱者を武器に相手をコントロールしようとすることが考えられます。
他者から注目を集め、優しさや同情を獲得しようとしているんです。
なので、愚痴る人は愚痴る相手も選びます。
コントロールできそうな、また過去にコントロールできたと思った相手に愚痴を聞かせます。
過去に愚痴ってみたけど、相手にされなかったと感じた相手にはもう愚痴ることはしません。
なぜなら、目的が果たせないからです。
子供がグズることで何かを手に入れることを覚えるように、このコントロール意図も、成功体験から意図が生まれています。
(感情)物事に対しての不平や不満、怒りを感じる
怒りは二次感情で、はじめに「悲しい」とか「不安」などの感情を抱いて、その後わき上がる感情です。
大抵は承認欲求、自己重要感が満たされない危機感からその怒りが湧いてきています。
つまり自己防衛ですね。
愚痴が出るということは、好ましくない状況や結果があるわけで、それらが「自分のせいじゃない」とアピールしたいんです。
「こんな結果を呼込むような、無能な人間じゃない」
「自分はこんなに正しく生きているのに、環境、他人、運、組織…に邪魔される」
他人や環境に怒りを向けて、自分は犠牲者と位置づけます。
(観念)愚痴を言う人の想いグセ
上記の「(感情)不平、不満、怒り」は、その人の観念を通すことで沸いてきます。
同じ出来事でも、人によって怒りやその他の反応がちがうのは、人それぞれ持つ観念が違うからです。
よく聞くところでは、「水が半分入ってるコップを見て、どう思うか?」って話です。
幸せ思考の人は「まだ、半分もある」と考える方だと言われますね。
幸せになれる人は、期待するハードルが低い人なんです。
反対に不平・不満が多く、怒りが絶えない人・・不幸せな人ですね。
この人たちは、期待するハードルが高いんです。
その「期待」には、強弱があります。
それ以下なんてあり得ない
そして、人は期待を裏切られたときに腹を立てます。
その期待が強いと、裏切られた感も強くなります。AさんよりBさん、BさんよりCさんの方が、怒りが強くなります。
つまり愚痴が絶えなく、口を開けば愚痴ばかりという人は「他人や環境への期待値が高く、期待度も強い」可能性が高いんです。
そうなんです。
愚痴を言う人は、自分で解決を導こうという発想がありません。
例えば・・
自分にとって嫌な上司がいて、その上司との問題を解決したいなら
➀ 上司とひざを交えてしっかり話合う
➁ 上司の更に上の上司に相談する
など、自分で行動を起こそうとします。もちろんリスクもあるかもしれないし、エネルギーも使います。
それでも行動しないければ、解決しないと考えます。
対して「愚痴る人」は、そんなエネルギーも努力もせずに不満を解消しようとします。
その方法が、愚痴ることで「同情」や「賛同」を得る事です。
それによって承認欲求が満たさたり、自己重要感を満たす子が出来るからです。
■ 承認欲求が強く、同情・共感・理解・認めてもらいたいと渇望している
■ 他責思考が強く、自分の責任が抜け落ちてる人
■ 自分以外への(周囲への)期待値が勝手に高く強く、期待にそぐわないと怒る人
愚痴がもたらす弊害は?
愚痴を頻繁に延々と聞かされると、どんな弊害があるのでしょうか。
■ 時間が無駄になる
■ エネルギーを消耗する
■ ネガティブが感染する
時間が無駄になる
時間は有限です。
会社から給料をもらっている人は、時間を会社に売っているわけです。
時間は命(いのち)だと言う人もいます。
それほど大事な時間を、他人の欲求を満たすため、他人のエゴを正当化するために使うわけです。
それでもその相手が、自分にとって”いなくなると困る”ような重要な存在なら、愚痴を聞くのも投資と思って付き合うのも良いでしょう。
しかし、その相手は”いなくなっても困らない”程度の存在なら、少しづつフェードアウトしていきましょう。
エネルギーを消耗する
愚痴を聞いていると、何故かいつもどっと気持ちが疲れる・・
聞く以外にも、ラインやメールなど文面で送られても疲れるし困るし、面倒くさい!
結局愚痴というのは
■ 話し手の自己肯定感を上げるため
■ 話し手の承認欲求を満たすため
にあるので、聴き手は奉仕でしかありません。
基本、聴き手には興味がない話だし、感情を乗せて共感なんかしていれば、精神疲労は相当なものです。
あちらは負のエネルギーが解消され、こちらは負のエネルギーが生まれてくるので、まさにエネルギーを吸い取られるようなものです。
ネガティブが感染する
ネガでぃぶな心情は、伝染するって知っていました?
米国の心理学者エレイン・ハットフィールド氏は「ネガティブな人と過ごす時間が長いほど、その人も同じような考えになる」と言っています。
また、カリフォルニア大学の研究者ハワード・フリードマンとロナルド・リジオの報告で、ネガティブな言動をしている人を見ただけで、同じようなネガティブな気持ちになり、脳の機能が低下すると言っています。
参照元 :https://www.dhbr.net/articles/-/3826
これらの報告によると、ネガティブやストレスを受けている人との関係が近いほど、接する時間が長いほど、感染リスクが高まると言います。
愚痴が多い人から遠ざかろう
愚痴が多い人から遠ざかった方が良いとは思いますが、なかなかそうもいかないケースだってありますね。
■ 会社の上司や先輩
■ 家族の人
■ 世話になっている、これからも関係を続けないといけない人
これらの人とは、距離を置きたくてもなかなか難しいと思います。
そこでもう一度、愚痴が多い人の気持ちをおさらいしましょう。
■ 承認欲求を満たしたい
(同情・共感・理解・認めてもらいたい)
■ 他責思考で、自分の非や責任が抜け落ちれる
■ 他人や周囲への期待値が高く、強い
ということなので、これらの反対を徐々に行っていけば良いです。
➀ 共感はするにはするが、あまり感情移入をせず「上っ面度」を増加させていく
➁ たまにチクりと
だんだん指摘の頻度を上げていく
※ ただしラインなど文字にすると、受け手にはストレートでキツイ表現に映り角が立ちます。また形に残るので、具体的な指摘は避けましょう
➂ 自分に愚痴っても➀、➁が増しているので、期待通りのリアクションが返らないと悟らせる
こちらへの期待値を下げさせる
その人との関係性によって、パンチ力を調整してみましょう。
自分にとってかけがえのない相手なら、多少の労力を削って無条件の肯定感で聞いてあげても良いかもしれません。
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