仕事では苦手なタイプの人とでも、関わらないといけないシーンは日常茶飯事のことです。
時にはツーショットで、ランチをしなくちゃな場面だってあります。今回はそんな機会を持たされ、どうしたら良いものか悩んでいる方向け。
相手が苦手な人であればあるほど、緊張が高まって「間が持たなかったらどうしよう・・」とか、不安が大きくなりますね。
この記事では、心理カウンセラーで現役営業パーソンのkintonが、苦手な人との会話術を紹介します。
ランチ会話だと苦手な相手と何を話せば良いかわかんなくなる
ランチに限らず、二人で長距離の移動とか・・
エレベーターの中だって、苦手な人との空間は時間が長く感じるものです。
そのような事で悩んでるあなたに、次の3つのステップで話していきます。
営業マン直伝3つのコツ
■ 相手との苦手意識を軽くする
■ 下準備をする
■ 相手の自己重要感を高め、共感し、再発見する
【苦手な人との会話術】苦手意識を軽くしよう
僕は20年以上営業に携わってきています。
すると中には、「うわぁ・・この人苦手だな~」と思う人もいます。
そんなとき、僕たち営業マンはどんな対処をして、営業に臨んでいるのか紹介します。
まず前提として、営業マンがクライアントを訪れて営業活動をするとき、絶対にこれがないと契約が取れないというものがあります。
■ 相手に苦手意識を悟られてはいけない
■ 相手の感情を高める(盛り上げる)
■ 相手から好かれなければいけない
“売れる営業マン”は、往々にしてこのような事を自分に課しています。
そしてこれらを実現するために、やることが以下3つです。
■ 相手のことを好きな自分を心から演じる
■ 相手とテンションやスピードを合わせる
■ 相手の自己重要感を高める
これらについて時間があれば、イメージトレーニングすることをお薦めします。
相手のことを好きな自分を心から演じる
「相手に苦手意識を持たれてはいけない」とは当たり前ですが、人は意外とこういう他人の心理を敏感に感じるものです。
まず相手に抱いている、こちらの勝手なイメージを少しでも、できるなら完全に払しょくしてランチに臨みましょう。
イメトレでは、いきなり相手のイメージを180度変えて、「好きな人」「尊敬できる人」になるのは難しいかもしれません。
今、この段階で無理に「相手が好きだー」とイメージしなくてもOKです。
ただ、抱えているマイナスのイメージを払しょくしましょう。
それは心を「無」にするのと近い感覚かもしれません。
次にその人と会ったら、その場の雰囲気が許す範囲で精一杯元気な明るい挨拶をしましょう。
これは、自分の緊張を解くのにメチャクチャ効果があります。
よく人前で話すのが苦手な人に「大勢の人の前でのスピーチは、第一声の挨拶を大きな声ですると、緊張が解ける」と教えることがあります。
もっと言えば「緊張が解ける」というより「吹っ切れる」とい感覚の方が近いです。
イメトレでは、大きな声を出せる環境なら是非出してみてください。
自分の声によって、心が吹っ切れたり度胸が付くのを実感できると思います。
相手とテンションやスピードを合わせる
こうして、こちらの気持ちが吹っ切れて、ポジティブな覚悟ができたら「ペーシング」を意識しましょう。
ペーシングはNLP心理学の手法の一つで、営業職、コミュニケーションの世界では定番の心理術です。
ペーシングとは、相手の感情の高ぶり、テンション、身体的動作のスピード、話し方のスピードなどを合わせていき、相手からの好意を掴みやすくする方法です。
簡単に言うと、相手のテンションとペースに合わせるというだけです。
簡単ですよ。
喜怒哀楽の表現が、ストレートで正直に表現する人からすると、同じように表現してくれる人には「共感してくれた」と解りやすく、親近感が持たれます。
ポーカーフェイスの人は、相手がオーバーな感情表現をしてるのを見ると「大げさ」「疲れる」「お調子者」と映るかもしれません。
また、話し方もそうです。
早口の人は、のんびりした話し方の人に”じれったさ”を感じるし、のんびりした話し方の人は、早口の人に対して「まくし立てられてる」「せっかち」「聞き取りにくい」というマイナスのイメージを持つかもしれません。
テンションとペースを同じにするだけで、相手は「同じ類の人」と感じてもらいやすくなります。
そして、あなたの事を「話しやすい人」と感じてもらえやすいです。
「相手の自己重要感を上げる」を意識する
これは「相手から好かれる」ための、とっておきの心得です。
営業では、相手からの好意を獲得できないと、なかなか商品を買ってもらう事はできません。
そこで、営業マンや販売員は笑顔で、低姿勢、誉め言葉なんかを使いまくります。
しかし売れる営業マンは、これらより大事にしていることがあります。
それが「相手の自己重要感を高める」ということです。
ゴマすりやお世辞、歯が浮くような誉め言葉なんか使わなくても、ボソっと言う一言で相手の自己重要感をマックスに高め、相手を有頂天にさせてしまう術を身につけているんです。
自己重要感とは・・
■ 自分は重要な存在だという、自己の認識
■ 他者から尊敬されたいという、承認欲求
ベストセラー「嫌われる勇気」で有名な、心理学者アルフレッド・アドラーは、自己重要感をこう言っています。
そして、相手の自己重要感を満たすのに必要なのは・・
■ 認めている
■ 理解している
■ 気にかけている
この3つを示すことだそうです。
■ あなたが、ある契約にチャレンジしたが失敗した
君がやってダメだったんだから、誰がやってもだめだったろう
例2 理解している
■ オフィスのある一角、そこは皆が掃除を嫌がる面倒な場所。
あなたはこっそり毎日掃除して帰っている
あのスペースを毎日キレイにしてくれていたのは君だね
明日からは、交代で掃除しよう
例3 気にかけている
■ あなたはシングルマザー、小学生の子供に作りたての温かい夕食を食べさせることがなかなかできない。
今日はもう上がって、お子さんとゆっくり過ごしてください
上の例は、「苦手な人」というシチュエーションとは関係なく示しました。
苦手な人、特にそれが上司だった場合、「認める」と「理解する」は、上から目線になってしまいがちなので、難しいかもしれません。
でも「気にかけている」を示すのは、ちょっとしたリサーチをすることで、簡単にできます。
【苦手な人との会話術】下準備(リサーチ)をする
人と会う前、事前に相手の経歴や周辺情報を調べることは、例えば雑誌や新聞のインタビューアの人なら必ずやっていることじゃないでしょうか。
営業マンも、訪問する会社の情報を収集して、訪問する人は多いと思います。
会社のポジティブな情報があれば、それは格好の話題材料にもなります。
この記事を読んでいるあなたも、「苦手な相手」との会話に頭を悩ませているなら、事前リサーチをしても損でないはずです。
では、相手の何をリサーチするのか?
■ SNSで相手がはまっているマイブームはないか
■ SNSで誕生日(誕生月だけでも)、家族構成が解らないか
■ SNSで好きな食べ物は解らないか
■ 相手の身近な人から、人物像を聞いてみて、ポジティブな情報が上がってこないか
「こんな姑息な事はしたくない」と思う人も多いかと思います。
しかし、例えば会話が弾みだし、内容が家族の話に及んだとします。
その時こちらがお子様のことについて尋ねたら、「子供はいないんです」と返ってきたらどうでしょう。
せっかく弾みだした会話も、何となく気まずさが漂ってきますね。
そこで事前に「お子さんがいる」とか「猫ちゃんを3匹飼ってる」とか解っていれば、そんな地雷を踏む可能性も大幅に減ります。
事前にリサーチしたことは悟られないように注意
これは当たり前の鉄則ですが、相手には自分が事前に個人のリサーチをしていたとは悟られないようにしましょう。
もし自分の事をリサーチしていたなんて、バレたらドン引きされるのが落ちです。
もしかしたら大憤慨されるかもしれません。
リサーチネタを引き出すには、自己開示から
ではどうやって、せっかく調べたネタを話題に載せていくか?です。
もし、相手が大の愛犬家で、家には二匹のチワワが居て、さらに3匹の子犬が産まれたと知っていたとします。
そこで悪い例は・・
「犬を飼ってる」って、ピンポイント過ぎますね。
本来こっちの知らないことですから…
そこでこうします。
○○さんは、何か動物飼ったりしてます?
このように、自分から自己開示をした後なら相手も話しやすいし、「犬」→「動物」とすることで、自然な質問になります。
【苦手な人との会話術】共感と再発見
ここまで書いて来た手順を行えば、何もしないより大分会話も進むんじゃないでしょうか。
せっかくならこの機会に「苦手な人」を「得意な人」にはならないにしても、「苦手な人じゃない人」くらいに変えることを目指しても良くないですか。
苦手な人は「ゼロ」にはなりませんが、「苦手なタイプ」が少ない方が良いに越したことはありません。
会話が進んで良い感じになってきたら、相手の自己重要感を上げることと同時に、相手の感情に共感していきましょう。
相手の感情に共感することで、相手はよりあなたに親近感を抱いてくれます。
相手がこちらに好感を示すようになると、こちらも相手への印象が変わってくるものです。
そこで今まで知らなかった「苦手な相手」の、新しい顔が見えてきたりします。
お互いに苦手意識がなくなり、心がオープンになれば相手の良い面が容易に見えてくるものです。
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