毎日の職場で、苦手なタイプの人と顔を合わせなきゃならないって、めっちゃエネルギー消耗しますよね。
今回はそんな悩みを心理学の側面から解決し、のびのびした職場環境を掴み取るためのヒントをお話していきます。
この記事は、認定心理カウンセラーで、営業畑で20年以上の経験を持つkintonが書いています。
職場に複数、苦手な人がいる時、あなたが選ぶ行動は次の3つです。
① 職場の苦手な人とコミュニケーションをとって、苦手意識を無くす。
② 精神的に縁をきり、割り切って仕事をしていく。
③ その環境から逃げる・手放す
一口に「苦手」と言っても、置かれてる状況によって対応も違いますからね。
あなたの周りにいる苦手とする人は、どんなタイプでしょうか。
苦手な人のタイプ
A パワハラ・高圧的・すぐキレる
B マウントをとってくる・自分のことばかりのテイカー・告げ口するトラブルメーカー
C 自分の価値観と合わない・趣味嗜好が違う・何を考えているのか解らない
仮に「A」のパワハラ上司や高圧的、すぐキレるなどの人なら、コミュニケーションの努力も必要なく、なるべくその人から逃げることがお薦めです。
「B」のマウント同僚、自分の利益ばかりの上司や部下、あること無いこと告げ口してまわる嫌な先輩・・
こんなタイプなら、距離を縮める努力も必要ありません。精神的に絶縁して、割り切りましょう。
しかし、そのようなことが現実的に難しい人は、最初の項目「苦手な人とコミュニケーションをとってみる」を参考にしてみてください。
苦手な人とコミニュケーションをとってみる
職場にいる苦手な人とは、先ほどのタイプでいう「C」の価値感や趣味が合わない、という程度でおさまる人が多いと思います。
異性であろうと、同性であろうと相性の「合う・合わない」は、あって当たり前です。
こればかりは、どちらが良い悪いの話ではありません。
しかし、人は「反り」や「価値観」が合わない人を、無意識のうちに「敵」とレッテルを張ることがあります。
それは「類似性の法則」が働き、自分の価値観とずれている人に対して「その価値観は正しくない」というレッテルを無意識に貼ってしまうことがあるからです。
価値観が同じ人は、自分の事を肯定してくれ、理解してくれると直感的に思うからです。
対して価値観が違う人は、自分の事を理解してくれないだろうと察します。
相手の話をよく聴いて、共感を示すことです。
つまり「傾聴と共感」
苦手だからと距離をとっていると、相手の本質は見えてきません。
一度、話を真剣に聞いて、共感を示してみましょう。
もしかしたら、相手の意外な一面が見えてくるかもしれません。
人は多面性の生き物です。
どんなに性格が悪い人でも、1つや2つ、真っ当な言動を行うものですし、どんなに性格が良いと思える人にも、邪な考えが浮かんだりするものです。
そして、真剣に話を聴いて、共感を示すとはこういう事です。
■ 相手の目を見て、頷きと相槌を入れながら、相手に「聴いている」ことをアピールする
■ 「それメッチャ嬉しいですよね」「私なら足がすくむほど怖いです」など、相手の感情にフォーカスした共感の相槌を入れる
大事なのは「聴いているよ」「共感しているよ」とアピールすることなんです。
そのため、聴き手にはリアクションが必要なんです。
そして共感は、相手の感情に理解をしめすのがポイントです。気持ちを解ってくれる人には親近感がわくものです。
ウソをついてまで共感を示すなんてしたくない!!
もちろん相手の話題が、反社会的、反倫理的で、どうしても受け入れがたいのであれば、それはそもそも、コミュニケーションをとって歩み寄る必要はありません。
ただ、そうではない範囲で、共感しても差し支えない話題になったなら、試してみる価値はあると思いますよ。
ここで言う「傾聴と共感」は、職場で人間関係を築くためのテクニックとして、割り切ることです。
その苦手な相手と、今後も深く長く、真の人間関係を築きたいのであれば、別ですが。
「傾聴と共感」コミュニケーションの第一歩です。
一歩を踏み出すと、もしかしたら「この人の事誤解してた・・」なんて、うれしい気付きがあるかもしれないですし。
そうなれば、共感は自然と演技から、本物になっているはずです。
人は自分を理解し、肯定してもらいたい生き物です。
精神的に縁をきり、割り切って仕事をしていく。
ここでは、無理してコミュニケーションをとって歩み寄るなんてしなくて良い人。
できれば関わらずにやり過ごすべき相手と、やり過ごし方を紹介していきます。
まず「コミュニケーションをとる必要なし」「関わらずに過ごすべき」相手とはどんなタイプでしょうか。
■ 他責思考が強い人
■ マウントとってくる人
■ 告げ口する人
これらのタイプには、あえてコミュニケーションをとって、近づこうとしない方が身のためと考えましょう。
他責思考が強い人
何か自分に問題が降りかかったり、目的が果たせなかったとき、その原因が自分でなく、自分の外、他人や環境にあると考えます。
つまり事あるごとに、他人のせいにしたり、境遇を恨んだりする人です。
このような思考の人が、自ら気付いて人が変わったように成長する事もあります。
しかし残念ながら、この思考の人が他人から諭されて、気付きを得ることはほぼ無いと考えた方が良いです。
こんな人とは出来るだけ関わらないようにするのが得策です。
「○○のせいで、こうなった」
「○○のせいで、間に合わなかった」
なんて話を聞いても、リアクションは控えましょう。
「へー・・・」
以上。
肯定も反論もする必要ありません。相手にするべきではないのです。
このタイプが部下にいる場合、上司は頭を悩ませます。
他人のせいにしてる以上、自分が反省することがなく成長は見込めません。
このタイプが部下にいる場合の対処法は、こちらの記事を参考にしてください。
他責の念が強いこのタイプは、誰しもが持つ「自己正当化バイアス」が強いタイプなのです。
自分や自分の行い、自分の考えを正当化するために、無意識のうちに物事を都合よく偏見し歪んだ解釈をしてしまいます。
無意識にやっているので、本人はその強烈な偏見に気付いてません。
他人が指摘したとしても、指摘した人を都合よく解釈するので、「変わったことを言う人」とか「自分を否定、攻撃してくる人」と受け取られてしまうかもしれません。
仕事上の最低限のこと以外は関わらず、他責発言にもあまりリアクションをとらず、相手にとって「面白くない人」「話し甲斐のない人」となることです。
マウントをとってくる人
何かと、マウントをとってくる人も精神衛生上、よくありません。
一番は、相手にしない事です。
マウントを取る人の心理は
■ 自分を守りたい
■ 認められたい
という意識が働いています。
つまり、「自己重要感」を高めたいんです。
普通、自己重要感は、他人から誉められたり指摘されて高まったりします。
しかし、マウントさんは他人から指摘されないため、自分でアピールするんです。
多くの場合アピールは、誇張されて放たれます。
この手のタイプは自分を過大評価する分、他人を過少評価します。
なので自分が言った””誇張された自分””に、他人が気付かないと思うようです。
こういう人には、薄ーいリアクションで返しましょう。すかさず話題も変えると尚オーケーです。
この例は、マウント君が同僚のケースです。
マウント君が目上の先輩や上司なら、ここまでの塩対応は難しいかもしれませんが、リアクションを可能な範囲で薄くし、相手にとって「つまらない人」になるのが1番です。
告げ口してまわる人
告げ口は女の人に多いと思われがちですが、男にも告げ口をする人は結構います。
告げ口とはこんな感じです。
もしかして、係長ねらい?
キモイんだけど、あんなの全然興味ないし
A子に気を付けな!
なんかさ、A子はB子が係長ばっかり見てて、狙ってるんじゃないの?って噂してるよ
こうして、A子さんとB子さんは告げ口さんによって、仲違いをすることになります。
そして告げ口さんは持って行き方次第で、A子からもB子からも信頼を勝ち取ることができるし、どちらかを追い込むこともできるのです。
告げ口さんにとって、超ド級の楽しみが職場に増えました。
■ すごく面倒見がよく思いやり深く見える
■ いつも皆のかゆいところに目が行き、気が利く
■ なので慕われ、信頼も厚い
■ 差し入れが得意
■ 会社の利益より自分の利益を優先する時がたまにあり、あれ?と思うが「まさかあの人が・・」とやり過ごされる
■ 何かと「どうしたの?」とすぐ首を突っ込んでくる
このタイプが厄介なのは、一見とても良い人に見えることです。
世話焼きで、なんでも相談に乗ってくれ、助言やアドバイス、ときには身銭を切って必要なものを差し出してくれます。
だから職場では上役からの信頼も厚く、一目置かれるような存在なのです。
しかし、この人に目を付けられると、告げ口を巧みにあやつり、職場の人間関係や信用を失墜させられるような事態を招きかねません。
誰かに相談しようにも、信頼されている分、なかなかこちらの話を受け入れてくれないなんてことも。
告げ口さんの口車に乗らないよう、誰かのうわさ話やネガティブトークには乗らないのは勿論、共感や相槌も打たない事です。
「そうですか??」
「私はよく分かりません」
と流してしまう事です。
その環境を手放す
仏教でも、「自分が輝けない場所は捨てても良い」と言われています。
仏教では全ての結果は因縁、つまり「因」と「縁」によって決まるとされています。
■ 因・・・自分の行い
■ 縁・・・まわりの環境
「因」と「縁」の療法が揃って、今の状況がつくられます。
なら、「自分の行い」か「まわりの環境」のどちらかを変えることで、今の状況は変わっていくという事です。
しかし、一見自分の行いと言っても「行い」の前に、直ぐには変えられない物だってあります。
例えば、性格、頭の良し悪し、話し方、信念・・・
それを変えるには、それ相応の時間も必要です。
それまでに、心が病に侵されてしまっては元も子もありません。
そもそも性格を、変える必要があるのかも疑問です。
明るく社交的な性格なら、営業の畑では向いているかもしれませんが、内向的で一人黙々と仕事をこなせるなら、プログラマーや職人の方が向いているかもしれません。
自分の個性を曲げてまで、その畑にいる必要があるのか否か・・・
自分が輝けない場所は、捨ててもいいんです。
近江商人(おうみしょうにん・・滋賀出身の商人)の心意気に「三方良し」という言葉があります。
■ 買い手良し
■ 世間良し
商売は「売り手が儲かりさえすれば良い」というのではなく、買い手も世間も幸福になるような商売でないといけない、という考えです。
あなたの会社の商品やサービスは、この三方良しに照らし合わせて、どうでしょうか。
もし、売り手ばかり儲かり、買い手や世間(世の中)にとっては良い物でも必要な物でもないのなら、その会社に心身病んでまで尽くす必要はないはずです。
また、「辞めたいけどすぐには辞められない」という事情の人も多いはずです。
その場合、期限を区切るだけでも楽になります。
「○○ヵ月まで、頑張ってみる」
「それでも状況が変わらなければ転職する」
と言うように。
ゴールが見えないマラソンほど、過酷なものはありません。
取り敢えず、ゴールの期限を決めることで、気持ちの上で「○○月までの辛抱だ」と言い聞かせ、踏ん張ることができますし、気持ちに余裕すら出てきます。
大事なのは自分の心を守る事です。
心が壊れると、それまで出来た正常な判断すらできなくなる事があります。
すると「会社を辞める」、「休職する」などの判断もできず命を落とすかもしれません。
期限を決めたら、同時進行で転職の準備をしておきましょう。
例えば
■ 資格の取得
■ コミニケーションなど、自分磨き
■ 転職サイトへの登録
退職を決意してけど、退職を言い出せない方向けの、退職代行サービスもあります。
期限を設けて、裏でこのような準備をするだけでも、心はかなり軽くなります。
そうして軽くなった心で会社に行くと、もしかしたら上司からの評価が変わり、関係改善となるかもしれません。
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